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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻3号

1972年03月発行

特集 黄疸の外科

Biliary diversionの病態生理

著者: 内田耕太郎1 永松良夫1 本庄一夫1

所属機関: 1京都大学医学部第1外科

ページ範囲:P.309 - P.317

文献概要

はじめに
 胆汁の主成分であるbilirubinの代謝,排泄機構については,近年電子顕微鏡,放射性同位元素利用などによる研究により新知見が加えられつつある.高bilirubin血症である黄疸のうち,外科臨床上対象になるものは,溶血性貧血などとともに閉塞性黄疸があるが,その原因の主なる悪性腫瘍は,すでに根治手術の時期を失して手術されることが多く治療成績は決して満足できる状態ではない,胆汁の分泌障害があれば,これを人為的に腸管に排泄せしめることにより,黄疽の軽減をはかる外科的手技が胆道再建術である.閉塞部位が肝管分岐部よりファーター乳頭にいたる肝外胆汁路に存在する場合,この原因は先天性奇型,外傷,炎症,結石などの異物,腫瘍などがあげられる.胆石症などは,その原因を除去することにより黄疸を軽減できるが,その他の多くは胆汁の自然的流通路を変更することが必要である.
 われわれが経験した症例をあげて,胆道再建術の病態生理の一端にふれたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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