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特集 日常外科の総点検・Ⅰ
急性虫垂炎の病型分類と手術適応—急性虫垂炎計数表使用5年間の成績
著者: 四方淳一1 浮島仁也2
所属機関: 1帝京大学医学部外科学教室 2東京都立墨東病院外科
ページ範囲:P.477 - P.483
文献購入ページに移動筆者らは墨東病院において前任の杉原礼彦博士ならびに筆者らが昭和21年から39年までの間に取扱った急性虫垂炎5,523例の病歴を整理・分析して,急性虫垂炎の病型分類に関連性の深い次のごとき症状および所見をとり出した.すなわち,1)初発疼痛部位,2)悪心・嘔吐,3)排便の状態,4)腹部圧痛の範囲,5)筋性防禦またはブルンベルグ症状,6)体温,および7)白血球数の7項目である3).なお,これらの項目は病歴の記載に従つてとり出したもので,さらに今後病歴の記載範囲が広くなればより関連性の深い症状あるいは所見がみつかるかもしれないことをお断りしておく.
そして,昭和40年10月以前の代表的症例263例について,次の病型分類のもとに分析を行なつた.すなわち,急性虫垂炎の病型分類として筆者らの採用したものは,a)カタル性虫垂炎,b)蜂窩織炎性虫垂炎(化膿性虫垂炎を含む),c)壊疽性虫垂炎,およびd)虫垂穿孔による汎腹膜炎,の4型である.これらの分類に当つては手術所見のほかに切除標本の肉眼的ならびに顕微鏡的所見より総合判定を行なつた.もちろん,文献2)も参考とした.
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