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症例
95%膵再切除を施行し,良好な経過をとつたInsulinomaの1例
著者: 嶋野松朗1 村上哲之1 田中清雅1 鈴木康紀1 木村克明1 田中隆夫1 小野慶一1 佐藤信一郎2 江村耀中2
所属機関: 1弘前大学第2外科教室 2弘前大学第3内科教室
ページ範囲:P.551 - P.556
文献購入ページに移動insulinomaに関して,欧米では1902年Nichollsの報告以来,その病像の特異さも加わつて報告があいつぎ現在1,000余例を越えている1).一方本邦においても1933年三宅2)による初剖検例,その3年後の棟方3)の1治験例発表以後報告が続出はしているが,その論旨は症例そのものの報告,あるいは統・集計の範囲を越えず,とくに一時的に腫瘍摘除できなかつた場合に,いかなる考察のもとに外科的処置を講じるかなどについては全く触れていない.
最近われわれが初回の手術にて腫瘍を発見し得ず膵85%の盲切除を施行したが,依然としてinsulinomaの症状持続したため,再手術を行ない95%膵尾側切除によつて術後良好な経過をとつた1例を経験したのでいささかの考察を加えて報告する.
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