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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻4号

1972年04月発行

症例

冷却体外循環により止血に成功した肝破裂症例

著者: 上山武史1

所属機関: 1金沢大学医学部第1外科

ページ範囲:P.557 - P.560

文献概要

緒言
 大量出血が制御できず,多くのガーゼで圧迫することにより,かろうじて止血されていた状態で肝破裂の患者が来院した.この患者に人工心肺による冷却体外循環を行ない,食道温18℃で循環血液量を減少させ,出血量を少なくし,肝破裂部に達し断裂し,出血を続けていた肝内動脈の結紮に成功して,治癒せしめた.
 現在,人工心肺による体外循環は非常に安全になり,開心術,胸部大動脈手術には広く,長時間にわたり使用されている.そのほかにも少数ではあるが脳手術1),気管・気管支手術2),肺血栓手術3)4)などにも,一時的な循環停止による出血の制御5),肺における換気中絶への対策6),肺血流停止の手段7)などを目的として使用されている.しかし,内臓手術への応用はみられないようなので私どもが行なつた方法を述べ,このような手段を採るに至つた経過につき検討する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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