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特集 日常外科の総点検・Ⅱ
指末節損傷の治療
著者: 三浦隆行1
所属機関: 1名古屋大学医学部付属病院分院整形外科
ページ範囲:P.613 - P.620
文献購入ページに移動はじめに
指末節の損傷はあらゆる外傷のなかでももつとも頻度の高い外傷であるにもかかわらず,その傷害が指末節に限局されているためminor injuryとして軽視されている.このため従来の治療法が慢然と習慣的に踏襲されるのみでその初期治療において適切なる処置がおこなわれたならば当然避け得たであろう後遺症を残している症例にしばしば遭遇することは残念である.ここにあらためて強調するまでもなく,指末節はその手全体に占める面積は比較的小さいがその機能的役割はきわめて大きい.しかもその治療には緊急の適切なる判断を必要とするにもかかわらず,その初療が手の外科治療を修得した医師によりおこなわれることはむしろまれである.このように考えてくるときすべての医師,とくに外科的治療に関係する医師にとつて指末節の治療を如何におこなうべきかを熟知しておくことは必要なことである.指末節の治療についてはすでに多くの成書にも記載されたことではあるが,ここにあらためてその傷害別に指末節損傷の治療について現在私がもつとも適当と考えている治療法を紹介し,その治療法選択の規準について触れたい.
指末節の損傷はあらゆる外傷のなかでももつとも頻度の高い外傷であるにもかかわらず,その傷害が指末節に限局されているためminor injuryとして軽視されている.このため従来の治療法が慢然と習慣的に踏襲されるのみでその初期治療において適切なる処置がおこなわれたならば当然避け得たであろう後遺症を残している症例にしばしば遭遇することは残念である.ここにあらためて強調するまでもなく,指末節はその手全体に占める面積は比較的小さいがその機能的役割はきわめて大きい.しかもその治療には緊急の適切なる判断を必要とするにもかかわらず,その初療が手の外科治療を修得した医師によりおこなわれることはむしろまれである.このように考えてくるときすべての医師,とくに外科的治療に関係する医師にとつて指末節の治療を如何におこなうべきかを熟知しておくことは必要なことである.指末節の治療についてはすでに多くの成書にも記載されたことではあるが,ここにあらためてその傷害別に指末節損傷の治療について現在私がもつとも適当と考えている治療法を紹介し,その治療法選択の規準について触れたい.
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