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特集 日常外科の総点検・Ⅱ
輸液の考え方の変遷とその方法
著者: 長谷川博1
所属機関: 1国立がんセンター外科
ページ範囲:P.627 - P.634
文献購入ページに移動はじめに
輸液の考え方とその方法については,各人各様,あるいは各施設各様の考え方があり,それぞれの患者に対する各主治医の判断により,最も良いと思われる輸液が実施されているのが現状である.しかし特に最近数年間は,担当医の輸液に対する考え方には苦悩が多く,poor risk例の輸液管理ではことさらである.
その理由は,細胞外液相が手術侵襲で減少するという学説と,術中術後は食塩および水分投与を制限すべきだという正反対の考えとがあつて,相反する両説の取捨択一をしばしば迫られるからである.本稿はこれらに対する筆者なりの私見を,手術前後の水分電解質代謝研究の歴史を中心として述べたものである.
輸液の考え方とその方法については,各人各様,あるいは各施設各様の考え方があり,それぞれの患者に対する各主治医の判断により,最も良いと思われる輸液が実施されているのが現状である.しかし特に最近数年間は,担当医の輸液に対する考え方には苦悩が多く,poor risk例の輸液管理ではことさらである.
その理由は,細胞外液相が手術侵襲で減少するという学説と,術中術後は食塩および水分投与を制限すべきだという正反対の考えとがあつて,相反する両説の取捨択一をしばしば迫られるからである.本稿はこれらに対する筆者なりの私見を,手術前後の水分電解質代謝研究の歴史を中心として述べたものである.
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