文献詳細
論説
食道アカラジアに対するGröndahl氏手術の経験
著者: 米沢健1 梅部暁1 小林達哉1 笠川恒夫1 小林衛1 塩谷陽介1 米元敏雄1 池田典次1
所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科
ページ範囲:P.663 - P.669
文献概要
特発性食道拡張症は,1672年Thomas-Willisの最初の報告にはじまり,1821年Purtonがその剖検例を報告して以来,成因ならびに発生機序について多くの臨床的ならびに実験的研究が行なわれてきたが,いまだ統一された見解はえられていない.従つて本症に対する根治的療法ないし一定の治療法もまだ見出されていないのが現状である.われわれは今日まで本症に対して,主としてGröndahl1)氏術式+幽門形成術を行ない,さらに胃液検査において高酸を示した症例に対しては全腹部迷走神経切断術を追加施行した.Gröndahl氏法は本邦においてはあまり行なわれておらず,種種検討すべき点もあると思われるのでここに最近教室で行なつた本術式施行症例の追跡調査結果を紹介し,若干の考察を加えてみたい.
掲載誌情報