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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻6号

1972年06月発行

文献概要

カラーグラフ 臨床病理シリーズ・5

肺癌Ⅲ

著者: 下里幸雄1 鈴木明2

所属機関: 1国立がんセンター病理部 2国立がんセンター内科

ページ範囲:P.734 - P.739

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 Small Cell Anaplastic Carcinomas小細胞癌(Ⅱ),およびLarge Cell Carcinomas大細胞癌(Ⅳ)(WHO):小細胞癌は1.fusiform cell type,2.polygonal cell type,3.lymphocyte-like("oat cell")type,4.othersに分けられている.当センターでは小細胞癌は手術的に剔出した症例の約5%,剖検例の17%を占めている.その多くは区域支までの太い気管支に発生するが,末梢発生も稀ではない.太い気管支に発生したものでも末梢肺野の二次変化は扁平上皮癌の場合より軽度である.この癌は制癌剤,放射線に感受性が高いけれども肺癌のなかで予後の最も悪い腫瘍である.組織学的には,細胞質の量の少ない小型の細胞からなるが,組織発生のみならず,臨床的にも異つた幾つかの癌を含んでいる可能性がある.なかでも燕麦細胞型はしばしばロゼット形成,リボン状ないし索状配列を示し,カルシノイドと類似するものがあり,電顕的には100〜300mμの神経分泌顆粒様の顆粒を有し,さらにセロトニンやACTHを産生するものもあることなどから,現在ではKultschitzky cell(argentaffine cell)由来であるとする考えが強くなつてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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