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文献概要
特集 皮膚切開法と到達法・Ⅰ
気管切開
著者: 石原恒夫1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室
ページ範囲:P.761 - P.765
文献購入ページに移動はじめに
近年,気管切開は喉頭の閉塞や狭窄に対してのみではなく,各種手術後の気道内分泌物の貯溜や喀出困難に対しても積極的に行なわれるようになつた.また昏睡状態にある症例,呼吸筋の麻痺がみられるような症例あるいは重症の胸部外傷とくにflail chestでは,気道内分泌物を自力で喀出することは不可能に近く,このような症例においては,気管切開により気道内分泌物を吸引し,気道を確保することは治療の第1歩である.
気管切開の普及は大きな利益をもたらしたが,反面,合併症の増加をもたらしたことも事実である.一見簡単な手技に見える気管切開も正しい理解と確実な手技をもつて行なわなければ,重大な合併症を併発する手術であることを銘記すべきである.
近年,気管切開は喉頭の閉塞や狭窄に対してのみではなく,各種手術後の気道内分泌物の貯溜や喀出困難に対しても積極的に行なわれるようになつた.また昏睡状態にある症例,呼吸筋の麻痺がみられるような症例あるいは重症の胸部外傷とくにflail chestでは,気道内分泌物を自力で喀出することは不可能に近く,このような症例においては,気管切開により気道内分泌物を吸引し,気道を確保することは治療の第1歩である.
気管切開の普及は大きな利益をもたらしたが,反面,合併症の増加をもたらしたことも事実である.一見簡単な手技に見える気管切開も正しい理解と確実な手技をもつて行なわなければ,重大な合併症を併発する手術であることを銘記すべきである.
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