icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻6号

1972年06月発行

文献概要

特集 皮膚切開法と到達法・Ⅰ

乳腺疾患の手術

著者: 渡辺弘1

所属機関: 1国立がんセンター外科

ページ範囲:P.797 - P.803

文献購入ページに移動
はじめに
 乳腺疾患のうち手術治療を必要とする主な疾患には,炎症性病変(膿瘍)と腫瘍性病変がある.前者の最優先する治療手段は膿瘍の切開排膿であり,後者のうち良性腫瘍(線維腺腫,嚢胞,乳管内乳頭腫,乳腺症あるいは異物性硬結など)に対しては,腫瘍剔出,部分切除または単純乳房切断術が行なわれる.また悪性腫瘍(主として乳癌)に対しては腋窩廓清を伴う乳房切断術が普遍的な手術術式である.
 皮膚切開法は外科手術の第1段階であり,かつ最も基本的な操作である.したがつて機能を保存しつつ疾病の治癒をもたらすことは如何なる場合でも必須条件と見なしうるが,ことに乳腺疾患においては美容形成に関する技術を要求されることが多いためその方法に古くからいろいろ工夫がはらわれてきた.この論文では,われわれが日常実施している外科治療法について詳細に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?