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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻6号

1972年06月発行

文献概要

論説

盲腸憩室炎について

著者: 松林冨士男1 佐藤薫隆1

所属機関: 1佼成病院外科

ページ範囲:P.839 - P.845

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はじめに
 最近レ線検査の進歩により,回盲部のレ線像も以前よりは診断的価値の非常に高いものが得られるようになつた.
 盲腸部憩室炎について以前は,ほとんど造影レ線検査もされず,大部分が虫垂炎として手術され,術後はじめて憩室炎であることがわかり,報告されていた.本邦文献(第1表)によれば,昭和39年までは27例の報告例があるが,そのうち1例に経口的造影レ線検査がこころみられたにすぎず,術前憩室炎の診断のついたものは1例も見当たらなかつた.昭和40年以降は報告20症例あり,11症例に造影レ線検査がこころみられている.そのうち7例に憩室を証明し,術前に正しい診断が下されるようになつた.7例のうち,筆者らの例を除き,すべて多発性憩室炎症例であつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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