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文献詳細

雑誌文献

臨床外科27巻7号

1972年07月発行

文献概要

カラーグラフ 臨床病理シリーズ・6

肺癌Ⅳ

著者: 下里幸雄1 鈴木明2

所属機関: 1国立がんセンター病理部 2国立がんセンター内科

ページ範囲:P.886 - P.891

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 悪性度の低い肺癌:Carcinoid Tumorsカルシノイド(Ⅵ)ならびにBronchial Gland Tumors気管支腺腫瘍(Ⅶ)(WHO):(Ⅶ)は1.Cylindromas(adenoid-cystic carcinomas腺様嚢胞癌),2.Mucoepidermoid tumors(粘表皮癌),3.Othersに分けられている.これらは従来腺腫としてあつかわれていたが,時に転移し致死的となる.比較的稀な腫瘍で,国立がんセンターで切除した肺腫瘍400例中カルシノイドは4例,腺様嚢胞癌は2例,粘表皮癌は3例にすぎない.
 カルシノイドの頻度は欧米に比べかなり低い.この多くは主・葉・区域・気管支に発生しポリープ状に内腔に突出するが,末梢発生のものも時にみられる.30〜40歳台に発見されるものが多い.随伴症候として,カルシノイド症候群の他クッシング症候群を伴うものもあり,気管支ならびに気管支腺上皮内に存在するKultschitzky cellから発生すると考えられ,また燕麦細胞癌との関連が論議されている.5年生存率は57〜95%といわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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