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特集 皮膚切開法と到達法・Ⅱ
小児外そけいヘルニアの皮膚切開
著者: 角田昭夫1
所属機関: 1神奈川県立こども医療センター外科
ページ範囲:P.933 - P.937
文献購入ページに移動皮膚切開は二つの目的にかなうよう選ばれるべきである.まず手術のやりやすい切開であること,次に創面ができるだけきれいに仕上ることの2つである.第一の目的が主目的であるが,術後の創面ができるだけ目立たぬように,かつ機能的にも支障のない皮切を選ぶことはメスをとるものの,当然の義務であろう.
古典的にいわゆるLangerの皮膚割線(Spalt-linien der Haut nach Langer)があり,皮膚切開線がこれに一致した時は,治療瘢痕は最も美しく,ほとんど細い線状創を残すのみという.ただし形成学的見地からは,Langer線よりも,皮膚の張力や皺の方向,身体表面の接合部に平行した皮膚切開の方が,皮膚の張力が減少するため,創面治癒が容易で,かつ瘢痕も目立ないという14).
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