文献詳細
文献概要
特集 皮膚切開法と到達法・Ⅱ
末梢血管の露出法
著者: 神谷喜作1
所属機関: 1名古屋臨港病院外科
ページ範囲:P.945 - P.951
文献購入ページに移動はじめに
末梢血管といわれる範囲は,どこをさすのか一定していない.広く解釈すると心臓および頭蓋内血管をのぞく全血管を含むが,狭く考えれば四肢の血管ということになる.つまり,上肢の場合には胸腔外の鎖骨下動静脈以下を意味し,下肢の場合は腹膜外に到達しうる総腸骨動脈以下を考えたらよいと思う.大動脈,大静脈から分枝する内臓への血管—腹腔動脈,上腸間膜動脈,下腸間膜動脈,腎動静脈,および門脈系も,通常,末梢血管として,血管外科の対象とされているが,本論文の目的とする皮切,到達法という観点からみると,すべて正中開腹によりそれぞれの血管に到達するわけであるから,一応省略することにする.
従つて,本論文においては,四肢血管と頸動脈の露出法について述べることにする.そして,まずそれぞれの動脈について記載し,静脈は特に必要な場合にのみ,ふれることにする.
末梢血管といわれる範囲は,どこをさすのか一定していない.広く解釈すると心臓および頭蓋内血管をのぞく全血管を含むが,狭く考えれば四肢の血管ということになる.つまり,上肢の場合には胸腔外の鎖骨下動静脈以下を意味し,下肢の場合は腹膜外に到達しうる総腸骨動脈以下を考えたらよいと思う.大動脈,大静脈から分枝する内臓への血管—腹腔動脈,上腸間膜動脈,下腸間膜動脈,腎動静脈,および門脈系も,通常,末梢血管として,血管外科の対象とされているが,本論文の目的とする皮切,到達法という観点からみると,すべて正中開腹によりそれぞれの血管に到達するわけであるから,一応省略することにする.
従つて,本論文においては,四肢血管と頸動脈の露出法について述べることにする.そして,まずそれぞれの動脈について記載し,静脈は特に必要な場合にのみ,ふれることにする.
掲載誌情報