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外科の焦点
本邦における胃・十二指腸潰瘍に対する手術方針の現況
著者: 石川浩一1 島津久明2
所属機関: 1東京大学医学部第1外科 2東京大学医学部第1外科教室
ページ範囲:P.1193 - P.1199
文献購入ページに移動胃・十二指腸潰瘍の外科治療において,幽門側広範囲胃切除術は,もつとも普遍的な術式として広く採用され15,17),現実に減酸効果・潰瘍再発防止などの点において満足すべき成績をあげてきた.しかし,近年胃を広範囲に切除したのちに生ずるいろいろな術後障害(postgastrectomy synd-rome)がひとつの重要な問題として提起されるようになつた.また過酸傾向の乏しい胃潰瘍例に対する広範囲胃切除の意義に関しても批判が少なくなく18,19),その結果,切除範囲・切除部位・吻合法などについていろいろの工夫がこらされるようになつた.一方,Dragstedtら1)によつて提唱された十二指腸潰瘍に対する迷走神経切断術(以下迷切と略す)は幽門形成あるいは胃空腸吻合などの誘導術を付加することによつて評価に応えうる術式であることが実証されるようになつた.
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