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特集 出血治療のPitfall
出血源不明の場合の対策
著者: 島津久明1
所属機関: 1東京大学医学部第1外科教室
ページ範囲:P.1257 - P.1264
文献購入ページに移動はじめに
上部消化管からの大量出血は日常の臨床上しばしば経験され,その救急処置・出血源の診断・治療方針・治療成績などに関して多方面から検討されているが,なお未解決の問題が少なくなく,現実に内科治療あるいは外科治療によつてかなりの死亡率が報告されている.とくに,来院時に出血源不明の場合には各種のショック対策による全身状態の管理と平行して,その原疾患の究明に努めることが肝要で,なるべく早期にこれを確認することはその後の治療方針の選定上にもきわめて重要であることはいうまでもない.しかし,急性の大量出血例では全身および局所の状況に制約されて出血源に関する十分な情報をえ難い場合も少なくない.
本稿では,当教室における経験例および文献上の報告を参照して,吐血あるいは下血のために救急入院した症例における出血源の探索を中心に論説を試みたい.
上部消化管からの大量出血は日常の臨床上しばしば経験され,その救急処置・出血源の診断・治療方針・治療成績などに関して多方面から検討されているが,なお未解決の問題が少なくなく,現実に内科治療あるいは外科治療によつてかなりの死亡率が報告されている.とくに,来院時に出血源不明の場合には各種のショック対策による全身状態の管理と平行して,その原疾患の究明に努めることが肝要で,なるべく早期にこれを確認することはその後の治療方針の選定上にもきわめて重要であることはいうまでもない.しかし,急性の大量出血例では全身および局所の状況に制約されて出血源に関する十分な情報をえ難い場合も少なくない.
本稿では,当教室における経験例および文献上の報告を参照して,吐血あるいは下血のために救急入院した症例における出血源の探索を中心に論説を試みたい.
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