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論説
胸腺腫瘍の診断,治療上の問題点
著者: 片岡一朗1 林保1 三樹勝2 寺岡資郎2 矢島権八3 沖野光彦3
所属機関: 1日本医科大学第2外科教室 2日本医科大学第1外科教室 3日本医科大学病理学教室
ページ範囲:P.125 - P.133
文献購入ページに移動胸腺については,その機能的意義について長く不明の点が多かつたが,移植免疫や組織免疫などの分野からの研究と相俟つて,胸腺異常と各種疾患との関連の解明が行なわれつつある.
従来,胸腺が臨床的に問題とされた主な点は胸腺リンパ体質と胸腺腫についてである.前者については既に副腎皮質不全との関連から否定的であるが,後者,すなわち胸腺腫については,悪性度の高率なこと,ことにその病理の複雑性により分類方法にも統一性を欠き,病理組織学的所見と臨床経過が必ずしも平行でないこと,などから日常の診断治療上からも,縦隔腫瘍の1つとして忘れることのできない疾患である.
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