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カラーグラフ 臨床病理シリーズ・19 腸の炎症性疾患
Ⅰ.クローン病,潰瘍性大腸炎,腸結核
著者: 小出紀1
所属機関: 1済生会中央病院病理
ページ範囲:P.1356 - P.1357
文献購入ページに移動 腸の炎症性疾患を考える時,まず特発性のものとしてクローン病と潰瘍性大腸炎があげられると思う.クローン病は1932年「主に若者をおかす亜急性または慢性の壊死性・瘢痕形成性の局所性回腸炎」として報告されたものである.しかし近年クローン病の概念に合致する病変は消化管に広く分布することが明らかとなり,口から肛門まですべての部分のクローン病が報告されている.特に大腸のクローン病はその頻度も比較的多く,英国学派では潰瘍性大腸炎の10〜50%に認めるとしている.以前からクローン病と潰瘍性大腸炎の鑑別については議論のあつたところであるが,大腸のクローン病が多く認められる様になると,ますますその鑑別は問題になると思われる.
次にクローン病は回腸終末部に多いところから,増殖性腸結核との鑑別が必要とされてきたが,不整形潰瘍を形成する腸結核の場合など,小肉芽腫の形成と相俟つて鑑別の困難な症例もあるので,ツベルクリン反応の実施をおすすめしたい.ちなみにクローン病の場合は70%がツベルクリン反応陰性であるという.
次にクローン病は回腸終末部に多いところから,増殖性腸結核との鑑別が必要とされてきたが,不整形潰瘍を形成する腸結核の場合など,小肉芽腫の形成と相俟つて鑑別の困難な症例もあるので,ツベルクリン反応の実施をおすすめしたい.ちなみにクローン病の場合は70%がツベルクリン反応陰性であるという.
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