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文献詳細

雑誌文献

臨床外科28巻11号

1973年11月発行

文献概要

特集 膵炎の外科 胆石症と膵炎

特に急性期の治療を中心にして

著者: 秋田八年1 香月武人1

所属機関: 1鹿児島大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1545 - P.1551

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はじめに
 胆石症と膵病態との関連をもつとも劇的に紹介したのはOpie(1901)29)であろう.彼は,急性膵壊死の2剖検例を報告し,1例は胆石が総胆管末端に嵌頓して膵管を圧迫閉塞し,他の1例では胆石が総胆管膨大部に嵌頓して胆管と膵管が"clo-sed common channel"を形成していたことから,胆石による膵管の閉塞や胆汁の膵管内逆流が急性膵炎の原因であろうと提唱した.その後,正常胆汁の生理的圧での膵管内逆流では急性膵炎が発症しないことが判明し,異常胆汁の膵管内逆流や,異常胆汁成分の異常高圧による膵管内逆流が急性膵炎発生機序と理解されるようになつた.異常胆汁成分としては,感染胆汁中の遊離型胆汁酸と,膵phospholipase Aによつて生成されるly-solecithinの組織障害作用が重視される11)24)34)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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