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論説
縦隔洞気腫
著者: 松浦雄一郎1 塩田克昭2 上原真幸2
所属機関: 1県立広島病院胸部外科 2塩田外科産婦人科医院
ページ範囲:P.1585 - P.1591
文献購入ページに移動縦隔洞気腫は,既に1819年欧米においてLaennec1)によりinterlobular emphysemaとして報告され,引きつづき1937年にHamman2)が本症の臨床症状の詳細な検討を試みている.
本症は比較的まれな疾患であり,その多くは姑息的治療により全治するためかこれまであまり重視されていなかつた.しかしながら,悪性縦隔洞気腫と呼ばれる型のものもあり,本型は縦隔洞内に著しい空気の貯溜のために縦隔洞内圧が上昇し,呼吸,循環不全,ショック状態を招来,致命的となることも周知の通りである.そうした症例は早期に適確な診断が下され,適正な治療が必要であることは論をまたない.
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