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特集 外科と栄養—高カロリー輸液の問題点
上大静脈内高カロリー栄養輸液による術後イレウスの保存的治療
著者: 工藤正純1 後藤洋一1 高杉信男1 長谷川正義1
所属機関: 1市立札幌病院第1外科
ページ範囲:P.1721 - P.1724
文献購入ページに移動腹部大手術後に往々にして発生するいわゆるイレウス状態には,およそ2つの場合が考えられる.その1つは重なる再手術に体質的なものが関与する漿膜の線維性癒着による場合であり,もう1つは縫合不全などに起因する限局性,汎発性の感染による場合である.いずれの場合も局所的,全身的な悪条件のために,ときには発症後早期の再手術に多大の困難が伴う場合がすくなくない.
このように特に困難な症例に対しわれわれは上大静脈内高カロリー栄養輸液法を応用して,ある期間保存的治療を試み,症例によつては適時手術療法に切りかえて腸閉塞を解除させ,満足すべき成績を得ているので,症例をあげてその問題点につき検討したい.
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