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文献詳細

雑誌文献

臨床外科28巻3号

1973年03月発行

特集 肝癌の外科

肝癌と肝切除—手技について

著者: 本庄一夫1 高三秀成1

所属機関: 1京都大学医学部第1外科

ページ範囲:P.331 - P.338

文献概要

はじめに
 近年,肝動脈造影をはじめ種々の診断法の開発により腫瘍がかなり小さい時期に肝癌の診断が可能なこともあるが,実際には相当な大きさに達してはじめて診断されることが多く,根治的切除可能な症例があまりにも少ないのが現状である.切除不能の肝癌に対しては血流遮断や制癌剤の肝動脈内注入などが盛んに実施されかなりの成果が得られつつあるが,完全治癒を期するためには腫瘍塊を含む根治的肝切除がもつとも望ましい治療法であることはいうまでもない.
 腫瘍がまだ小さくかつ表在性で,とくに肝辺縁部に存在するときは小範囲の肝部分切除で十分なばあいもあるが,通常はかなりの大きさに達しているために広範囲の肝切除を必要とすることが多い.肝切除の手技上,重要な点は出血の制御と残存肝の障害,壊死の防止であるが,このためには広範囲の肝切除ではとくに脈管の走行などの解剖学的事項を理解しておくことが必要である.以下手術に必要な肝の解剖学的事項と肝切除手技について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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