icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科28巻4号

1973年04月発行

カラーグラフ 臨床病理シリーズ・14

胃疾患の肉眼診断・6

Ⅱ.疣状胃炎

著者: 佐野量造1

所属機関: 1国立がんセンター病理部

ページ範囲:P.452 - P.453

文献概要

 びらん性胃炎(erosive gastritis)のうちで周辺が隆起し,中央が浅く陥凹したのものをWalkはvarioliform,Palmerはchronic erosionと呼び,本邦では"たこいぼ"胃炎として知られている.しかしその病理学的な詳しい研究はほとんどなかった.ところがAbelはこのような周堤を有するびらん性胃炎をレ線学的に経過を追究し2〜3カ月間の短期間で消失するものと,数年以上の長期間にわたり存続するものの2種類を区別して後者の病変をgastritis verrucosaと名づけた.筆者らはAbelの指摘した状胃炎に興味をもちその成り立ちや組織学的特徴について発表してきた.結論として疣状胃炎はびらん後の再生として生ずる腺上皮の過形成(hyperregeneration)にもとづく永続的な病変で,それは胃炎や水腫によつて生ずる一過性の粘膜隆起,すなわち消失型のびらん性胃炎と本質的に区別すべきものであることを主張してきた.
 疣状胃炎は肉眼形態より第1図のようにこれを4種に分けることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら