icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科28巻4号

1973年04月発行

特集 術後ドレナージの実際

急性膵炎手術後のドレナージ

著者: 広野禎介1 村田勇1

所属機関: 1富山県立中央病院第1外科

ページ範囲:P.517 - P.521

文献概要

はじめに
 急性膵炎の治療として,古くは,膵全剔,または部分切除,膵壊死巣の掻爬,sphincterotomyなど,積極的手術療法が行なわれてきたが12)14)18),本症の病態生理が解明されるにつれ,あるいは手術による死亡率が高いことなどの理由により,現在では,内科的保存療法を可とするものが圧倒的に多い16)20).しかし,最近になり,ふたたび急性膵炎に対する外科的手術療法の意義が再検討されつつある.すなわち,本症の診断は,現在もつとも信頼すべき臨床検査法であるアミラーゼ値の測定をもつてしても,しばしば困難なる場合が多い上に,急性膵炎ともつとも鑑別を要する胃・十二指腸潰穿孔など緊急手術を必要とする上腹部急性腹症との誤診を防ぎ,確定診断をうるために早期開腹の必要性を強調する報告も散見される6)9)15)
 とくに,最近における麻酔,および外科手術の進歩と,トラジロールなど強力なる薬物療法の開発により,本症の手術による死亡率は著しく低下しており11),Zimbergは,術前後の管理と治療を慎重に行なえば,激症膵炎においても,早期開腹による死亡率はわずか5%にすぎないと述べている21)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら