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文献詳細

雑誌文献

臨床外科28巻4号

1973年04月発行

特集 術後ドレナージの実際

直腸手術とドレナージ

著者: 北条慶一1

所属機関: 1国立がんセンター外科

ページ範囲:P.523 - P.527

文献概要

はじめに
 ドレナージの目的は,術後の創部の滲出液,"oozing"などの出血等の貯留を排除して,手術創の治癒が妨げられないようにすることである.さらにまた,術後起こりうるかも知れない縫合不全,局所感染に備えて,汚染を体外へ誘導し,周辺への拡散を防ぐための予防的安全弁として行なわれる.とくに,汚染の可能性の大きく,また骨盤腔という解剖学的特性から,創傷の1次的治癒を失すると会陰部の創の治癒は一段と長期間を要する直腸の手術においては適切なドレナージは必須である.
 しかし,また反対にドレナージが意図した如くに機能をみず,少なくなからぬ困難に遭遇することもしばしばといえよう.このような失敗の原因はいろいろ反省される.ドレーンのおく場所と,その方法,たとえば適切な位置におかれてもその取扱い使用方法によつて十分機能を得ないためである.ドレーンの方法に関して,近年いろいろ工夫がなされているが,成書での記載は乏しく,各術者の経験に基づいて各流儀で行なわれているのが現況といえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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