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文献詳細

雑誌文献

臨床外科28巻4号

1973年04月発行

文献概要

特集 術後ドレナージの実際

産婦人科手術後のドレナージ

著者: 山口龍二1

所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.535 - P.538

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Ⅰ.産婦人科手術の特徴
 婦人の性器の特徴として,内性器は腹腔内に納まつているが,常時細菌の存在する腟を介して外界に通じており,したがつて自然の状態においても上行感染の機会も多い.さらにこの条件を悪化させるものとして肛門が腟および尿道と近接していることがあげられる.これらのことは,産科的,婦人科的手術にさいして,また術後にしばしば何らかの形の感染を生ぜしめることになる.
 第2の特徴は,小骨盤腔は解剖学的に腹壁から非常に深い位置にあることによつてもたらされるもので,それ自体手術の困難さと直結する.また,利害双方をともなうことであるが,小骨盤腔の深いことは創液が骨盤底に溜ることによつて通常の腹壁からのドレーンが余り有効でないという欠点,しかしその反面,仰臥位においても創液や膿が溜りやすい骨盤底やダグラス窩に直接ドレーンを挿置しやすいという利点をも有する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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