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特集 麻酔—外科医のために Poor Riskの麻酔
重症肺疾患患者の麻酔
著者: 水口公信1 矢吹敏子1
所属機関: 1国立がんセンター麻酔科
ページ範囲:P.743 - P.750
文献購入ページに移動はじめに
医学の進歩およびそれに伴う平均寿命の延長により,原疾患以外に病的条件を持ちながら手術を行なわなければならない場合が多くなつた.術前より呼吸器系に種々の病気を伴つているいわゆるpoor risk例に手術を行なわねばならない場合である.例えば切徐不能の肺癌患者が脳転移を起こし減圧開頭術を施行せねばならない場合,喘息患者に開腹術を行なわねばならない場合などである.これらの症例の麻酔管理は麻酔医にとつてむずかしいものである.しかし呼吸器系に病的条件があるといつても特別な麻酔方法があるわけでなく,原則的には疾患の種類,重症度および疾患の病熊生理を知悉して,術前に十分な処置,治療を施した上で,より注意深い管理を行なう以外に方法は見当らない.著者らは自験例を混えながら以下論じてみた.
医学の進歩およびそれに伴う平均寿命の延長により,原疾患以外に病的条件を持ちながら手術を行なわなければならない場合が多くなつた.術前より呼吸器系に種々の病気を伴つているいわゆるpoor risk例に手術を行なわねばならない場合である.例えば切徐不能の肺癌患者が脳転移を起こし減圧開頭術を施行せねばならない場合,喘息患者に開腹術を行なわねばならない場合などである.これらの症例の麻酔管理は麻酔医にとつてむずかしいものである.しかし呼吸器系に病的条件があるといつても特別な麻酔方法があるわけでなく,原則的には疾患の種類,重症度および疾患の病熊生理を知悉して,術前に十分な処置,治療を施した上で,より注意深い管理を行なう以外に方法は見当らない.著者らは自験例を混えながら以下論じてみた.
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