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症例
開腹創瘢痕内の異所性骨形成
著者: 遠藤尚孝1 土田博1 津島恵輔1 山形尚正1 三上俊郎1 木村正方2
所属機関: 1国立弘前病院外科 2弘前大学医学部第1病理
ページ範囲:P.861 - P.866
文献購入ページに移動開腹創瘢痕内の異所性骨形成は報告例も少なくまれな疾患とされているが,その大部分は無症状に経過するため,再手術の時に偶然に発見されたり,また硬結が生じることにより癌の腹壁転移として処理されることが多く,気づかぬままに見逃されている症例も少なくないのではないかと老えられる.われわれは最近,上腹部正中切開後の開腹創瘢痕内に生じた異所性骨形成の3例を相次いで経験したが,うち2例は術前に予め本症と診断し得た.また,摘出した2例について組織学的に検討を加えたところ若干の知見を得たので,自験例の報告とともに本邦報告例を蒐集し,あわせて本症の発生機転について考察した.
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