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特集 再発癌—follow-upとその治療 Ⅰ.再発癌の考え方とその対策
臨床の立場から
著者: 柚木一雄1 松元実1
所属機関: 1鹿児島大学医学部附属腫瘍研究施設
ページ範囲:P.905 - P.913
文献購入ページに移動はじめに
癌の治療を行なうにあたつて,それを早期に発見し,根治的に切除することが生命の延長につながる不可欠の要因であることに異論はあるまい.しかしながら,現実に臨床家が治療の対象とする癌は,そのほとんどが進行癌である場合が多い.それ故,たとえ根治的手術,あるいは放射線療法などの局所的な治療が,完全かつ的確に行なわれたにしても,再発や転移の可能性を否定しえないのが現状である.ここに癌治療における再発の問題が大きく浮びあがつてくる.
「再発」という言葉は,一般的には治療の対象となつた原発巣のあつた部位に,再び腫瘍の出現してくるもの(局所性再発)として理解されているようであるが,臨床に携わるものとしては,手術部位を越えた浸潤部位からの再発(領域性再発),さらには転移あるいは遅延転移の形で出現してくるものをも含めて「再発癌」として取扱うべきではないかと考える.
癌の治療を行なうにあたつて,それを早期に発見し,根治的に切除することが生命の延長につながる不可欠の要因であることに異論はあるまい.しかしながら,現実に臨床家が治療の対象とする癌は,そのほとんどが進行癌である場合が多い.それ故,たとえ根治的手術,あるいは放射線療法などの局所的な治療が,完全かつ的確に行なわれたにしても,再発や転移の可能性を否定しえないのが現状である.ここに癌治療における再発の問題が大きく浮びあがつてくる.
「再発」という言葉は,一般的には治療の対象となつた原発巣のあつた部位に,再び腫瘍の出現してくるもの(局所性再発)として理解されているようであるが,臨床に携わるものとしては,手術部位を越えた浸潤部位からの再発(領域性再発),さらには転移あるいは遅延転移の形で出現してくるものをも含めて「再発癌」として取扱うべきではないかと考える.
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