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文献詳細

雑誌文献

臨床外科28巻7号

1973年07月発行

文献概要

特集 再発癌—follow-upとその治療 Ⅳ.胃癌

胃癌術後follow-upについて

著者: 三輪潔1

所属機関: 1国立がんセンター外科

ページ範囲:P.947 - P.953

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はじめに
 胃癌の早期診断の進歩,集検の普及ならびに一般に対する啓蒙などを理由に,胃癌の治療成績は急速に向上するきざしをみせている.10年前までは,全胃癌患者のうち治癒するのは10人に1人とされており,当時1つの施設から報告される5年生存率は,根治手術のできた胃癌に限つても30%前後に過ぎなかつた.しかるに最近各施設から報告される胃癌の治療成績をみると,古い症例を除外して計算すれば,治癒手術後の5年生存率は50〜60%と10年前に比し倍増している.また全国調査の結果から推定しても,この2〜3年の間に治療をうけている胃癌患者では,胃癌全体の20%以上が治癒しうるであろうことはほぼ間違いないと思われる.
 一方厚生省の死亡統計によると,胃癌による死亡数が減少する様子はない.この原因は罹病率の増大というよりは,日本人の寿命の延長がもつとも大きい理由と考えられており,胃癌の治療や早期診断が限界にきているということではない.したがつて,今後早期治療の拡大とともに,胃癌の治療成績はますますその実を挙げていくものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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