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症例
Zollinger-Ellison症候群の1例
著者: 一宮源太1 殿田重彦1 中道登1 樫谷益生1 川口爾朗2 久留裕3 中村靖男4 永井清和5 江本正直5 山本富一5
所属機関: 1和歌山労災病院外科 2和歌山労災病院内科 3和歌山労災病院放射線科 4和歌山市中村医院 5和歌山医科大学第2病理学教室
ページ範囲:P.1013 - P.1018
文献購入ページに移動Zollinger-Ellison Syndrome(ZES)は,1955年の提唱以来年々報告例が増して現在600例以上に達しており,そのclinical entityはもはや疑いないものとなつている1).しかし診断にはgastric hypersecretionとintractable peptic ulcerなる臨床的2徴に加えislet cell tumor(of hyperplasia)の存在を証明せねばならないので実際には確診をえがたい場合が多く,本邦では診断確実とされているものはわずかに10例を越えるに過ぎない.
一方,ZESのdisease entityは依然として謎に包まれており,一元的疾患か否かについても議論のあるところであるが,膵島以外の内分泌腺に病変を合併することが意外に多く3),ZESをmultiple endocrine adenom-atosis(or adenopathy)(MEA)の1 componentとみなす説が有力になつている1).
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