文献詳細
論説
文献概要
はじめに
胃潰瘍は,胃の病変の中でもつともpopularな疾患のひとつであり,その発生や病態生理に関する研究は数多いが,現在まだその本態については判然としていない.たとえば,発生部位ひとつをとつても,そのほとんどすべてが幽門腺域に生じ,体部腺域に生じるものの頻度は極めて低いとされている1-3).しかしながら,多数の症例を検討すると,体部腺域に生ずる潰瘍の数は決して少ないものではない.
本稿では,体部腺域内に生じた潰瘍を,臨床病理学的に検討し,若干の考察を加える.
胃潰瘍は,胃の病変の中でもつともpopularな疾患のひとつであり,その発生や病態生理に関する研究は数多いが,現在まだその本態については判然としていない.たとえば,発生部位ひとつをとつても,そのほとんどすべてが幽門腺域に生じ,体部腺域に生じるものの頻度は極めて低いとされている1-3).しかしながら,多数の症例を検討すると,体部腺域に生ずる潰瘍の数は決して少ないものではない.
本稿では,体部腺域内に生じた潰瘍を,臨床病理学的に検討し,若干の考察を加える.
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