文献詳細
臨床研究
重篤疾患,外科手術などに続発した胃・十二指腸の急性潰瘍性病変
著者: 島津久明1 木下智治1 額田克海1 宮田道夫1 小西富夫1 山岸健男1 玉熊正悦1 金山知新1
所属機関: 1東京大学医学部第1外科
ページ範囲:P.1215 - P.1221
文献概要
熱傷7)20),外傷8),各種疾患9)19),外科手術2)8)9)14)18)などにひき続いて,主として上部消化管に急性潰瘍あるいはびらんが発生することはきわめて古くから知られている事実である.これらの病変は通常stress潰瘍と総称され,無症状に経過する場合もあるが,しばしば出血,穿孔などの重篤な合併症を起こし,その成因,治療方針をめぐつて様々な議論がある.しかし,この病態には多彩な要因が複雑に関与するために,これらの問題に関してはなお統一した見解に達していない現状である.
著者らは過去9年間に重篤疾患,外科手術などに続発した胃・十二指腸の急性潰瘍性病変を62例経験したので,本稿ではこれらの症例について検討した成績を報告するとともに,若干の文献的考察を加えてみたい.
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