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臨床報告
胃サルコイドの1例
著者: 江本正直1 日比紀一郎1 永井清和1 竹中徹2 宇多弘次2 半羽健二3 奥勝次3 戸田慶五郎3
所属機関: 1和歌山医科大学第2病理学教室 2和歌山医科大学中検病理 3国保橋本市民病院外科
ページ範囲:P.1297 - P.1300
文献購入ページに移動サルコイドージスは全身性疾患とされ,病変部位は胸廓内が圧倒的に多く,眼,皮膚,その他(表在リンパ腺,神経,骨,筋肉)の順に頻度が低くなる1).胃のサルコイド病変は稀であり,本邦では長村ら(19603))の報告以来およそ11例を数え,3例を除く8例は胃にサルコイド病変を認めるのみである.またサルコイドージスの病因については,古くから諸説がみられるがまだ解決のつかない問題であり,最近免疫学の立場から,リンパ球の機能異常を伴う免疫不全状態との関連が注目されている.
著者らは心窩部痛,吐血,下血にて切除された胃および所属リンパ節にサルコイド病変を認め,術後施行したKveim testは陰性であるが,ツ反応は陰性,PHAに対するリンパ球の芽球化率の著しい低下を示す症例を経験したので報告する.
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