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臨床報告
胃,回腸,盲腸の消化管重複症の3治験例
著者: 笠井敏雄1 松岡潔1 島津栄一1 伊藤保憲1 溝淵正行1
所属機関: 1高知県立中央病院外科
ページ範囲:P.1311 - P.1315
文献購入ページに移動消化管重複症は舌根より直腸にいたる全消化管に発生する比較的稀な先天性奇形で,1507年Benevieniにより腸管嚢腫として報告されたのが最初であり,本邦では1923年田村10)が同じく腸管嚢腫として第1例を報告している.多数の集計例としては,欧米ではGross1)(68例),Dohn2)(315例),本邦では若林10)(37例,1964年),河野11)(49例,1966年),石田12)(64例,1967年),池田13)(74例,1970年)等の詳細な報告がある.
われわれは,腸閉塞症状を呈した生後6ヵ月の女児,腹部腫瘤の診断により開腹術を行なつた61歳の女性,胃粘膜下腫瘍,早期胃癌の診断により開腹術を行なつた64歳男性,計3例の消化管重複症を経験したので,いささかの文献的考察を加え報告する.
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