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文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻1号

1974年01月発行

文献概要

グラフ

人工心臓

著者: 阿久津哲造1 鬼頭義次1 本田剛彦1 W・Harry1

所属機関: 1ミシシッピー大学外科

ページ範囲:P.11 - P.16

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 現在完全人工心臓という定義には両心バイパスによる両側補助循環をも含めた広義の解釈もあるが,本稿では著者のいう,"total artificial heart",すなわち両側置換完全人工心臓(total heart repl-acement system)について紹介する.
 著者が1957年に初めて,完全人工心臓を犬に移植した時の生存時間はわずか90分間であつた,以後,1960年後半に至るまでの10年間は50時間を越えることが非常に難しかつた.1970年になると,ようやく各人工心臓研究グループが100時間の線に近づくことができるようになり,さらに1971年になると,一躍,著者らのグループとKo-lff教授らのグループ(ユタ大学)が仔牛を使つて1週間ないし10日の生存例を出し得るようになつた.これ以後は1週間以上の生存例を得ることは,さして難事ではなくなった.1973年になり,Kolff教授らのグループ,能勢博士らのグループ(クリーブランド・クリニック)がそれぞれ18日,17日の長期生存例を出し,さらに著者らの24日14時間(590時間)というところまで大きく延びてきたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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