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文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻1号

1974年01月発行

文献概要

特集 外科とME—その現況と将来

ペースメーカー最近の問題

著者: 三井利夫1 三枝正裕1

所属機関: 1東京大学医学部胸部外科

ページ範囲:P.25 - P.32

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はじめに
 電気刺激により心臓が収縮することはかなり古くから知られていたことであるが,これが徐脈に対する治療法として臨床に用いられたのは1952年Zollら1)の報告をもつてその嚆矢とする.しかしこれは体表面から通電が行なわれたもので,パルス発生装置を体内に植込み長期的にペーシングを行なうようになつたのは1956年からで,わが国では1963年に最初の植込み手術が行なわれた2)
 その後本法の発展はめざましく,その適応は徐脈のみでなく,頻脈の治療にまで拡大され,ペースメーカーの機械的信頼度は向上し,その電源としてラジオ・アイソトープの利用も実用化されるようになつた.また患者のアフター・ケアーの面でも,電話電送による電池消耗度の管理など広域医療への第一歩もふみだされた.しかし,生体の微妙な反応に即応するため機械の機能を高めれば複雑化による信頼性の低下をまぬがれず,また機械の変化に適応しきれない生体側の問題もおこつてきている.これらの諸問題にふれながら本法の現況と将来への展望を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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