文献詳細
臨床報告
文献概要
はじめに
臨床的に使用される制癌剤の数は年々増加してきている.しかしながら現在は,そのいずれもが,腫瘍自体に十分の制癌効果をあげるに足る量を投与する前に,副作用の発現をみるようになるのが実状である.この副作用のうちでは,白血球や血小板の減少という骨髄抑制作用がもつとも重大なものであるが,食思不振,嘔気や下痢などの消化管障害のみられることもあつて,しばしばそのために制癌剤による治療を中止せざるを得ないようになる.それ故にこれらの副作用を軽減しようという目的のための制癌剤の投与法が数多く考案されている.このうち局所動脈内投与法は,制癌剤を病巣部に限局して投与し,腫瘍自体に高濃度の薬剤を分布させて,その制癌効果を高めるとともに,全身に及ぼす副作用を軽減することを目的としたものである.
現在,乳癌に対してまず第1にとられる治療法は根治手術である.しかし進行した乳癌や再発乳癌に対しては,手術以外にも照射療法,内分泌療法および化学療法が行なわれていて,そのいずれも,かなりの治療効果が認められている.そして治療効果を一層高めるためには,それぞれ単独で行なわれる治療よりも,むしろ合併治療の行なわれるのが普通である.
臨床的に使用される制癌剤の数は年々増加してきている.しかしながら現在は,そのいずれもが,腫瘍自体に十分の制癌効果をあげるに足る量を投与する前に,副作用の発現をみるようになるのが実状である.この副作用のうちでは,白血球や血小板の減少という骨髄抑制作用がもつとも重大なものであるが,食思不振,嘔気や下痢などの消化管障害のみられることもあつて,しばしばそのために制癌剤による治療を中止せざるを得ないようになる.それ故にこれらの副作用を軽減しようという目的のための制癌剤の投与法が数多く考案されている.このうち局所動脈内投与法は,制癌剤を病巣部に限局して投与し,腫瘍自体に高濃度の薬剤を分布させて,その制癌効果を高めるとともに,全身に及ぼす副作用を軽減することを目的としたものである.
現在,乳癌に対してまず第1にとられる治療法は根治手術である.しかし進行した乳癌や再発乳癌に対しては,手術以外にも照射療法,内分泌療法および化学療法が行なわれていて,そのいずれも,かなりの治療効果が認められている.そして治療効果を一層高めるためには,それぞれ単独で行なわれる治療よりも,むしろ合併治療の行なわれるのが普通である.
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