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文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻11号

1974年11月発行

文献概要

特集 外科と血栓

腸間膜血管閉塞症

著者: 三島好雄1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1277 - P.1282

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はじめに
 消化管に阻血症状をきたす血管病変として,小腸領域では腸管壁小血管の閉塞,急性腸間膜血管閉塞,腸間膜血行不全,腹腔動脈起始部症候群,慢性腸間膜動脈閉塞などが,大腸領域では可逆性ならびに非可逆性の阻血性病変,新生児の壊死性腸炎,大腸癌に合併する局所性腸炎などが報告されているが1),ここでは主題にしたがつて主に腸間膜血管の閉塞について述べる.
 著者らのえた統計では,わが国における腸間膜血管閉塞は急性型が多く,男子にしかも中年以後に多い.血管の中では上腸間膜動脈に多く,欧米とは異なつて塞栓より血栓によるものが多いが,区別の不明なものも少なくない.病因としては動脈硬化症,心不全などの他に大動脈炎症候群など血管炎によるものがわが国ではかなり多い2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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