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文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻2号

1974年02月発行

文献概要

特集 消化管手術と内視鏡 食道

食道静脈瘤に対する内視鏡診断

著者: 三戸康郎1 小林迪夫1 井口潔1

所属機関: 1九州大学医学部第2外科

ページ範囲:P.173 - P.179

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はじめに
 従来,食道静脈瘤に対する内視鏡検査は静脈瘤破裂の誘因になるとの考えから,禁忌とされていたが,食道ファイバースコープの開発にともない,その安全性が確認され,現在では,救急出血時の出血源の診断法として,あるいは食道静脈瘤の出血を予知する有力な手段として評価される気運にある.
 とくに,食道静脈瘤出血に対する外科治療の立場からみると,救急手術の成績は現在なお不良であり,予防的手術をできるだけ施行することが望まれるが,この点,食道静脈瘤出血をあらかじめ予知し,予防的外科治療の適応を決定する手段としての内視鏡診断の意義ははなはだ大きいと考えてよい.しかしながら,現在まで報告されている食道静脈瘤の内視鏡分類は2)6)7)8),静脈瘤出血の予知,ひいては外科治療効果の判定など,実地臨床において,真に要求される分類としては,なお不満足な点が多いように思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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