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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科29巻4号

1974年04月発行

雑誌目次

特集 腹部緊急疾患におけるDo's & Don'ts

Do's and Don'ts—急性腹症

著者: 斉藤淏

ページ範囲:P.443 - P.445

 "やるべきこと"と"やつてならぬこと"を急性腹症を巡つて簡明に述べるよう求められた.この用語は古くから広く愛用されているが,まず急性腹症の意味から吟味してかからねばならない.手近の文書についてみると,急性腹部疾患(加藤勝治著,医学辞典1969)ではあるが,緊急手術を必要とする疾患(Dorland,医学辞典1965)に止まらず,手術を要する疾患(本多憲児:臨外,28(10):1973)やそれらと鑑別を必要とする疾患群(南山堂編,医学大辞典1972)をも含めて解釈されるのが最も妥当であろう.従つてこの用語をかかげるときに取りあげられる疾患の数は甚だ多くなる.すなわち,罹患している臓器,組織の所在部位は,腹部のみならず,胸部,背部,頭部から下肢などにも及んでいる.また診療科別にみると,外科に限らず,婦人科,内科,小児科その他これらの境界領域にもまたがる,つまり全科にわたつていると言つてよい.
 そこで,随時メモしていたもののなかから急性腹症の特性と思われる2,3を摘録して求めに答えてみたい.

急性虫垂炎

著者: 渡辺晃 ,   西野弘美

ページ範囲:P.447 - P.453

はじめに
 虫垂炎は外科で最も「ポピュラー」な疾患で,日常数多く遭遇するものであることは周知の事実であろう.その病因論は色々挙げられているが,ともかく虫垂内腔の閉塞が虫垂炎に不可欠の要因であることだけは諸家の意見が一致しているようである.突然嘔気嘔吐を伴つて激烈な腹部全体の痛みから漸次回盲部に疼痛が限局してくるという典型的な症状を呈するものから膀胱炎の症状で来るもの,下痢を主訴とするもの,右足がつつぱる感じのもの等々,その病像は一様ではない.他覚的に回盲部圧痛,デファンス,白血球増多と軽度の発熱等を見るが,診断面では色々な先輩の発表した圧痛点とか腹部触診所見から,色々な名称の症候があげられているごとく,その多様性もご存知の通りであろう.しかしこのような差がどうして出てきたかについてはあまり言及されていない.

急性膵炎

著者: 水本龍二

ページ範囲:P.455 - P.458

はじめに
 急性膵炎は激烈な疼痛を主徴とし,急速にshockに陥つて死の転帰をとるものがあり,急性腹症のなかでも特に注目されてきた疾患である.病因からみると胆石性膵炎とアルコール膵炎とが代表的なもので,症状や経過にそれぞれ特徴がある.その他少数例ながら家族性高脂血症,副甲状腺腫瘍,耳下腺炎や膵頭部腫瘍などに合併する膵炎があり,さらに術後膵炎はしばしば診断がおくれ死亡率が高く警戒を必要とする疾患である.
 急性膵炎は活性化した膵酵素の間質内逸脱によるchemical autolytic process,自己消化機転がその病態生理の本質をなすと考えられるが,その発生機序としては感染胆汁の膵管内逆流(common channel theory),膵管閉塞・膵外分泌刺激による膵管内圧の亢進(obstruction hypersecretion theory),あるいは十二指腸液の膵管内逆流(duodenal reflux theory)など膵管を介して膵実質の破綻をまねく機序が重視され,また局所血流の障害が容易に膵細胞を破壊することから動脈硬化症や糖尿病性昏睡あるいは術後に発生する膵炎では血管性要因が注目され,さらに膵滲出液により後腹膜神経叢が刺激されて膵炎を増悪せしめるという神経性要因が重視されている.

急性胆嚢炎

著者: 中山文夫

ページ範囲:P.459 - P.461

はじめに
 急性胆嚢炎は,胆石症に起因するものが大部分を占め1,2),胆嚢頸部ないしは胆嚢管嵌頓結石によるものが多い.嵌頓が起こると,胆嚢は拡張し浮腫をきたし,胆汁中胆汁酸の刺激により,急性炎症を起こす.無菌状態でも急性胆嚢炎を惹起することもあるが,普通は胆汁中に存在する細菌により炎症が増悪する.胆嚢内圧が極度に増大すれば,胆嚢壊死をきたす.
 次第に進行すれば,次の合併症を起こす(第1図).

穿孔性腹膜炎—含外傷

著者: 立川勲 ,   松田博青

ページ範囲:P.463 - P.466

はじめに
 急性穿孔性腹膜炎を起こす疾患は,急性虫垂炎の穿孔,胃および十二指腸潰瘍の穿孔が主である.その他癌による小腸,大腸の穿孔,胆嚢穿孔による急性腹膜炎なども時折遭遇することがある.
 これらはいずれも急性腹症として来院するのであるが,この他にもたとえば,外傷ことに腹部に加えられた外力が肝・脾の破裂,あるいは大腸の穿孔をきたし腹膜炎を伴つて来院することもある.

急性胆管炎

著者: 佐々木英制

ページ範囲:P.467 - P.470

はじめに
 胆管炎は胆管内腔と胆管壁の感染症であるが,本症の大部分を占めるのは胆汁うつ滞に腸内細菌の上行感染が加わつて発生する続発性の胆管炎である.その基盤となる疾患は胆道の狭窄ないし閉塞を招来する総胆管結石,瘢痕性胆管狭窄,胆管癌および膵頭領域癌などであるが,胆嚢炎からの炎症波及や胆道・消化管吻合後の上行感染も本症発生の一因となりうる.
 胆汁うつ滞を伴わない原発性胆管炎としては,緑色連鎖状球菌の全身感染症で肝に達した細菌が,胆道に排泄されて発症するcholangitis lenta9,14)の存在が報告されているが,このような原発性胆管炎の発生と臨床的意義に関しては疑念をいだく見解が多い4,10)

上部消化管出血

著者: 近藤達平 ,   伊藤勝基

ページ範囲:P.471 - P.474

はじめに
 上部消化管出血は,全消化管出血のうちの90%以上をも占め,日常臨床活動で,かなり頻々と遭遇するものであり,患者の生命をおびやかすことが多く,これに対し適切な対処を講ずることはきわめて重要である.その原因と頻度を挙げると次のようになる.
 ① 食道炎(0〜7%):食道裂口ヘルニヤ,胃粘膜の食道粘膜内への迷入,胃全剔出後の逆流性食道炎,食道癌根治術後の移植腸の吻合部から等解剖生理学的異常に基づくものがほとんどである.

下部消化管出血

著者: 矢沢知海 ,   小坂知一郎

ページ範囲:P.475 - P.478

はじめに
 下部消化管出血を患者が意識するとほとんどは鮮血の場合である.もちろん胃潰瘍などの下血は黒色便Melenaという型であるが,それとて必ずしも胃潰瘍からのもので,大腸からではないと断定することは容易ではない.私の学生時代には下血で鮮血は左半結腸よりの出血であり,黒褐色なものは右半結腸以上の消化管よりの出血であると教育された.しかし臨床医となつた現在,このような単純な判定は妥当ではないと思うようになつている.そこで依頼の趣旨に反するかもしれないが,教科書的な事項の重複をさけて○×式の国家試験には不向きの論文となりそうであるし,また診断法についても問題があるので混乱を引き起こしそうであるが,経験した症例をもととし,日頃考えている事項について述べることとする.

腹腔内出血

著者: 須藤政彦

ページ範囲:P.479 - P.482

はじめに
 腹腔内出血をきたす外科的疾患は稀であり,肝臓や脾臓の特発性破裂,大動脈瘤の腹腔内破裂などに遭遇することは日常ほとんどないであろう.しかし,開腹術後の後出血や外傷による腹腔内出血は決して少ないものではない.ここでは診療がやや複雑な外傷性腹腔内出血を中心に解説する.
 腹腔内出血をきたす外傷には,交通災害,転落,重量物落下,挾圧,なぐられる,蹴られる,打撲など鈍性外力によるものと,刺創,射創など鋭的外力によるものとがある.

機械的腸管閉塞

著者: 代田明朗 ,   三樹勝 ,   大川共一 ,   恩田昌彦 ,   吉岡正智 ,   吉安正行

ページ範囲:P.483 - P.487

はじめに—イレウス治療の原則—
 ここでいうイレウスは専ら機械的腸管閉塞にかぎることにするが,その治療の原則は昔も今も全く変らない.つまり一刻も早く診断し,一刻も早くその原因である腸管の閉塞を取り除くことにつきる.しかしながら,診断の方法,あるいは手術手技そのものをみると,ここ十数年の間に格段の進歩があつたとは思われない.にもかかわらずその手術成績は著しく向上している.斉藤1)の全国統計によると1935年代では28.6%,1945〜1954年では21.5%,1955〜1957年では12.4%,1961年には11.9%とその死亡率の変遷がみられ,最近の諸家の報告をみると,四方2)(1947〜1966)12.3%,西島3)(1954〜1968)11.8%,矢野4)(1961〜1970)8.3%,斉藤1)(1962〜1965)7.0%である.教室の最近6年間(1968〜1973)の成績では,219例中9例が死亡し,死亡率は4.1%である(第1表).

腸間膜血管閉塞症

著者: 土屋周二 ,   福島恒男

ページ範囲:P.489 - P.492

はじめに
 消化管の阻血による腹部緊急疾患は2つに大別できる.1つは,比較的末梢の血管の障害により,限局した腸阻血がおきたもので,いわゆる阻血性腸炎,出血性腸壊死などと呼ばれるものや,膠原病などによる腸壁内の血管炎がもとになつた腸穿孔などである.他の1つは,急性上腸間膜血管閉塞症で代表される腸血管起始部の急性閉塞症で,急激に広汎な腸阻血がおき,病態も重篤で,しばしば致命的なものである4).前者もそれなりに緊急疾患といえるが,重篤さ,早期診断と早期治療の重要さなどからみれば後者の緊急度の方がはるかに高い.ここではもつぱら,後者すなわち急性上腸間膜血管閉塞症を中心に述べ,他についてはこれより類推して頂きたい.この疾患の頻度は英国では1年間(1967)に約650例,北米合衆国では約1,800例が死亡するという3).わが国ではこれまでの報告例がたかだか200例で,比較的少ないようである,しかし未報告例や他の重篤疾患と合併して死亡したものなどを入れれば,それほど稀とも思われず,また,老年層や心血管障害例の増加とともに増加するおそれも多いと考えられる.

麻痺性イレウス

著者: 榊原幸雄 ,   永淵幸寿 ,   江里口健次郎

ページ範囲:P.493 - P.496

はじめに
 麻痺性イレウス(paralytic,adynamic or inhibition ileus)は機能的イレウス(functional intestinal ileus)に属するもので,機械的原因がなく,腸管の運動機能麻痺により腸内容輸送がさまたげられ,排便,排ガス障害をきたしたものである.
 すなわち,炎症,感染,機械的・物理的(温熱,乾燥)・化学的(胆汁,膵液,胃液,尿)刺激,酸素欠乏,電解質・浸透圧の平衡障害など多くの原因により,腸管平滑筋の生理的機能や自律神経機能の失調を招くとき,あるいは中枢神経系の障害などによつて腸管運動抑制がひき起こされる.

カラーグラフ

単心室症の根治手術(Ⅱ)

著者: 新井達太

ページ範囲:P.436 - P.441

 想像線が平行な場合は,前回の「単心室症の根治手術(Ⅰ)」で述べた如く,人工心室中隔の形成は比較的容易である.しかし,想像線が接触あるいは交叉する場合の手術はかなり難かしくなる.
 想像線が接触する(想像線を延長すると,心臓外で延長線が交る)場合は,両大血管への流出路を形成するconus septumと,両房室弁から心尖部にかけて形成されるsinus septumとの間に,ある角度ができる.この角度が90°以内であれば1枚のパッチで心室中隔の作製が可能であるが,その角度が90°に近いほど手術は難かしくなる.これは,この角度が大きくなる程,心室流出路の障害をきたし易く,また,1つの心腔を左・右心室に等分するのが難かしくなる.

座談会

新しい病歴の書き方—POMR

著者: 紀伊国献三 ,   堀原一 ,   出月康夫 ,   小島靖 ,   日野原重明

ページ範囲:P.498 - P.510

 編集室 Weedによつて始められた新しい病歴の書き方—POシステム,この新しいシステムは,アメリカでは,少なくとも教育病院とか大学では広がりつつあります.これを使いこなしていくと,いまの医療あるいは医学教育がどんなに変わるかということが,日本でも非常に興味を持たれてきています.まずこのシステムの大意を司会の日野原先生にご紹介願いたいと思います.

資料

POMRの実際—聖路加国際病院外科の現状

著者: 桜井健司

ページ範囲:P.511 - P.515

はじめに
 "内科医はよく知つているが働かない.外科医はあまり知らないがよく働く.病理の先生はよく知つているしよく働くが,いつも1日遅い."これは日本の話ではなく,米国でよく聞くjokeである.しかし言われてみると成程と思いあたることがあるのでjokeとして残るのかもしれない.実際これまでも内科医は電解質,体液,酵素,免疫などといつた基礎の知識を臨床医学に導入することでは先鞭をつけてきたと思うが,今回この問題志向システムによる診療記録方式を言い出したWeedも偶偶内科医であることから,このjokeを思い出した次第である.
 診療記録の目的はいろいろあると思うが,日常われわれが書いている病歴およびその他の記録が,その目的にかなつているかどうかについては疑問を持つことが少なからずある.

境界領域

喉頭ポリープのMicrosurgery

著者: 形浦昭克 ,   伊藤孜 ,   前山盤城 ,   白戸勝 ,   吉田真子 ,   並木昭義

ページ範囲:P.523 - P.529

はじめに
 喉頭は機能上呼吸および発声器官といわれる.ことに声帯のそれは音声障害をきたすと臨床的に重要になつてくる.またこの声帯に新生物ができると,非常に小さい場合でも著明に機能がおかされ,しかも小さい新生物ほど手術が困難である.従来の間接喉頭鏡下による手術では不必要に声帯を傷つけたり,残存する例がみられた.最近,喉頭内の局所所見を精確に観察すると共に病変を治癒せしめ,更には発声機能を確実に保存する方法として手術用顕微鏡を使用してのmicrosurgeryが行なわれるようになつた(これを喉頭microsurgeryと呼ぶ).本邦において,1966年斉藤ら1,2)により,また,Klein-sasser3)は,"Mikrolaryngoskopie und endolaryngeale Mikrochirurgie"なる著書にその成果を発表してきた.また1972年斉藤ら4)は喉頭microsurgeryに発声機能を観察することが困難であつたが,これに喉頭ストロボスコープを併用することにより,また後述する無挿管意識下麻酔にて,術中にその発声機能観察を行ない,これをstroboscopic microsurgeryとした.

臨床研究

外傷性横隔膜ヘルニア—自験3症例と本邦報告例の統計的観察

著者: 米山桂八 ,   横山清七 ,   木曾一誠 ,   杉浦芳章 ,   伊藤康雄 ,   深井志摩夫

ページ範囲:P.533 - P.540

はじめに
 外傷性横隔膜ヘルニアは胸腹部の強圧,打撲あるいは刺創など介達,直達外力により発生する.本症に関する本邦報告例は交通事故,労働災害の頻発に伴い増加の傾向にあり,調査しえた範囲(1944〜1971)では自験例を加え195例を算える.著者らが最近経験した3症例について,受傷機転,損傷内容,経過,治療成績を報告すると共に,本邦報告例を集計し統計的,文献的考察を加えた.

臨床報告

甲状腺腫と鑑別が困難であつた巨大副甲状腺腺腫の1例

著者: 佐藤正毅 ,   服部龍夫 ,   三浦馥 ,   中島伸夫 ,   加藤知行 ,   山口晃弘

ページ範囲:P.541 - P.545

はじめに
 原発性副甲状腺機能亢進症は欧米ではすでにまれな疾患ではなくなつており1),わが国においてもその発見の頻度は年々増加しつつある現状である2),本症の治療には,病的副甲状腺の摘出を行なわなければならないが,副甲状腺には位置異常や数の不規則があるために3-5),また術中に副甲状腺をリンパ節,異所性甲状腺,胸腺,脂肪組織などと鑑別し難いことがあつて,的確に病的副甲状腺を摘出できないことがある.従つて術前と術中に病的副甲状腺の部位診断することが,手術の成否の重要な鍵となる.われわれは術前,諸検査により副甲状腺腺腫の所見を得ていながら,それが非常に大きかつたために,甲状腺腫と誤診した巨大副甲状腺腺腫を経験したので報告する.

経皮的肝内胆管造影により観察された肝内結石症の1治験例

著者: 木林速雄 ,   国定謙作 ,   佐藤林平 ,   常光謙輔 ,   須原銀兵衛

ページ範囲:P.547 - P.552

はじめに
 肝内結石症は胆石症の中でも治療困難な疾患であり,また発見困難なため見落されることも多い.しかし,最近,胆道造影の進歩,特に大藤ら1)により改善された経皮的肝内胆管造影法(以下PTCと略)により術前に診断可能な症例も少なくない.われわれは最近,PTCにより術前診断しえた肝内結石症に遭遇し治療に難渋をきわめたが術後2年間に4回のPTCを施行し,その経過を観察し全治しえたので報告する.

進入経路不明の肺,横隔膜および肝内伏針の1治験例

著者: 杉村忠彦 ,   善山金彦 ,   亀谷忍 ,   腰塚浩 ,   三浦武秀

ページ範囲:P.553 - P.556

はじめに
 肺内異物は戦時中の留弾およびその破片の症例がほとんどであり,平時における症例は比較的少ない.これに比して横隔膜および肝内の異物は非常に稀である.最近われわれは進入経路不明で今日までも報告がなく,比較的長期にわたり右肺下葉内および右横隔膜・肝右葉内に残留した伏針の1症例を経験したので多少の文献的考察を加えここに報告する.

小腸腫瘍について—第1報 十二指腸腫瘍について

著者: 杉山譲 ,   村上哲之 ,   越前登 ,   佐々木睦男 ,   秋山邦男 ,   田中隆夫

ページ範囲:P.557 - P.562

はじめに
 十二指腸を含め小腸に発生する腫瘍は一般に良性,悪性腫瘍とも稀と考えられている.しかも臨床的特徴に乏しく,良性腫瘍は別として,悪性腫瘍では症状の発現した時点においては既に根治手術の時期を失しているものが多い.教室ではこれまで15例の小腸腫瘍を経験したので,今回は第1報としてこれらのうち十二指腸腫瘍の2例について報告する.

薬剤

化膿性骨髄炎・関節炎に対する局所持続洗浄療法—線維素溶解酵素剤の使用経験

著者: 川島真人 ,   鳥巣岳彦 ,   加茂洋志 ,   岩淵亮 ,   里村知宣 ,   原晃

ページ範囲:P.563 - P.567

はじめに
 化膿性骨髄炎は,急性期の治療に失敗すると非常に難治性の慢性骨髄炎となつて,数々の抗生物質の登場した今日にあつても再発を繰り返して長期間の治療を必要として,患者の社会復帰を遅らせている.
 骨髄炎難治化の原因のひとつに,局所の不良肉芽,壊死組織,瘢痕組織の問題がある.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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