文献詳細
特集 腹部緊急疾患におけるDo's & Don'ts
文献概要
はじめに—イレウス治療の原則—
ここでいうイレウスは専ら機械的腸管閉塞にかぎることにするが,その治療の原則は昔も今も全く変らない.つまり一刻も早く診断し,一刻も早くその原因である腸管の閉塞を取り除くことにつきる.しかしながら,診断の方法,あるいは手術手技そのものをみると,ここ十数年の間に格段の進歩があつたとは思われない.にもかかわらずその手術成績は著しく向上している.斉藤1)の全国統計によると1935年代では28.6%,1945〜1954年では21.5%,1955〜1957年では12.4%,1961年には11.9%とその死亡率の変遷がみられ,最近の諸家の報告をみると,四方2)(1947〜1966)12.3%,西島3)(1954〜1968)11.8%,矢野4)(1961〜1970)8.3%,斉藤1)(1962〜1965)7.0%である.教室の最近6年間(1968〜1973)の成績では,219例中9例が死亡し,死亡率は4.1%である(第1表).
ここでいうイレウスは専ら機械的腸管閉塞にかぎることにするが,その治療の原則は昔も今も全く変らない.つまり一刻も早く診断し,一刻も早くその原因である腸管の閉塞を取り除くことにつきる.しかしながら,診断の方法,あるいは手術手技そのものをみると,ここ十数年の間に格段の進歩があつたとは思われない.にもかかわらずその手術成績は著しく向上している.斉藤1)の全国統計によると1935年代では28.6%,1945〜1954年では21.5%,1955〜1957年では12.4%,1961年には11.9%とその死亡率の変遷がみられ,最近の諸家の報告をみると,四方2)(1947〜1966)12.3%,西島3)(1954〜1968)11.8%,矢野4)(1961〜1970)8.3%,斉藤1)(1962〜1965)7.0%である.教室の最近6年間(1968〜1973)の成績では,219例中9例が死亡し,死亡率は4.1%である(第1表).
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