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臨床研究
転移性乳腺腫瘍の臨床経験
著者: 富田正雄1 羅向喜1 北里精司1 田中耕三1 綾部公懿1 古賀保範1 釘宮敏定1 調亟治1 辻泰邦1 中山巌2
所属機関: 1長崎大学医学部第1外科 2長崎大学中検病理
ページ範囲:P.659 - P.663
文献購入ページに移動転移性乳腺腫瘍は,きわめて稀な疾患であるとされている.第18回乳癌研究会の席上,宮地1)により,本邦での本症36例の報告がされている.原発巣としては悪性リンパ腫が乳腺にみとめられる頻度が高く,36例中13例が含まれている.その他の症例としては白血病6例についで,胃癌5例となつている.前二者については,いずれも全身疾患として乳腺に腫瘍形成をみとめる頻度が高いことを示している.Hajdu2)の報告でも,悪性リンパ腫,悪性メラノーマの乳腺への転移頻度は高い.
転移性乳腺腫瘍として,全身的疾患としての悪性リンパ腫,白血病の乳腺腫瘍形成症例をのぞけば,一般に悪性腫瘍が乳腺に転移することはきわめて稀であるといえる.
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