icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻5号

1974年05月発行

文献概要

臨床研究

転移性乳腺腫瘍の臨床経験

著者: 富田正雄1 羅向喜1 北里精司1 田中耕三1 綾部公懿1 古賀保範1 釘宮敏定1 調亟治1 辻泰邦1 中山巌2

所属機関: 1長崎大学医学部第1外科 2長崎大学中検病理

ページ範囲:P.659 - P.663

文献購入ページに移動
はじめに
 転移性乳腺腫瘍は,きわめて稀な疾患であるとされている.第18回乳癌研究会の席上,宮地1)により,本邦での本症36例の報告がされている.原発巣としては悪性リンパ腫が乳腺にみとめられる頻度が高く,36例中13例が含まれている.その他の症例としては白血病6例についで,胃癌5例となつている.前二者については,いずれも全身疾患として乳腺に腫瘍形成をみとめる頻度が高いことを示している.Hajdu2)の報告でも,悪性リンパ腫,悪性メラノーマの乳腺への転移頻度は高い.
 転移性乳腺腫瘍として,全身的疾患としての悪性リンパ腫,白血病の乳腺腫瘍形成症例をのぞけば,一般に悪性腫瘍が乳腺に転移することはきわめて稀であるといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?