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文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻5号

1974年05月発行

文献概要

臨床報告

肝硬変併存胃癌例に対する胃全摘について

著者: 古賀成昌1 古沢元之助1 増田英隆1

所属機関: 1国立病院九州がんセンター外科

ページ範囲:P.677 - P.680

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はじめに
 肝は生体の代謝の中心として,生命維持に重要かつ複雑な機能を有する臓器のため,これが障害されている場合に,外科的侵襲が加えられると,術後肝不全,肝腎症候群など重篤な合併症発現の危険性がある.この肝障害と手術侵襲との関連性は古くから論じられてはいるものの,肝のもつ複雑な機能のため,肝障害時におけるsurgical riskについてはなお明らかでないのが現状である.
 近時,肝硬変を合併した消化器疾患に対する手術の機会が増加しているが,消化器疾患が胃癌の場合胃全摘を施行せざるを得ない場合にも遭遇する.このような場合,手術侵襲はもちろん,胃全摘後には胃切除後とは異なつて,いろいろの術後代謝障害が加わつてくるため,術後の肝に与える影響は大きく,従つてその適応,術後管理には検討すべき多くの問題があると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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