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臨床報告
肝硬変併存胃癌例に対する胃全摘について
著者: 古賀成昌1 古沢元之助1 増田英隆1
所属機関: 1国立病院九州がんセンター外科
ページ範囲:P.677 - P.680
文献購入ページに移動肝は生体の代謝の中心として,生命維持に重要かつ複雑な機能を有する臓器のため,これが障害されている場合に,外科的侵襲が加えられると,術後肝不全,肝腎症候群など重篤な合併症発現の危険性がある.この肝障害と手術侵襲との関連性は古くから論じられてはいるものの,肝のもつ複雑な機能のため,肝障害時におけるsurgical riskについてはなお明らかでないのが現状である.
近時,肝硬変を合併した消化器疾患に対する手術の機会が増加しているが,消化器疾患が胃癌の場合胃全摘を施行せざるを得ない場合にも遭遇する.このような場合,手術侵襲はもちろん,胃全摘後には胃切除後とは異なつて,いろいろの術後代謝障害が加わつてくるため,術後の肝に与える影響は大きく,従つてその適応,術後管理には検討すべき多くの問題があると考えられる.
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