文献詳細
文献概要
カラーグラフ 臨床病理シリーズ・23
急性虫垂炎の術中肉眼所見と病理組織像(Ⅱ)
著者: 松峯敬夫1 白川洋一1 浮島仁也1 青木幹雄2
所属機関: 1東京都立墨東病院外科 2東京都立墨東病院外科病理
ページ範囲:P.716 - P.717
文献購入ページに移動組織像:虫垂のほぼ全長にわたりびまん性に好中球浸潤があるが,その程度はあまり強くない.内腔は拡張しておらず,粘膜は2,3ヵ所に小さな潰瘍を示すのみで,全般によく保たれている(第9図).以上のように,全体的な変化は比較的軽度であるにも拘らず,根部で,虫垂間膜付着部の反対側に穿孔がみられる.たまたまここにできた虫垂壁内膿瘍が,虫垂の内外に同時に破れて生じたものと考えられる.また漿膜面に多数みられた小結節は,好中球の集簇巣である(第10図).
掲載誌情報