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文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻6号

1974年06月発行

文献概要

薬剤

末梢血行再建術後の血栓溶解酵素(UK)療法の治療成績に関する検討

著者: 伴一郎1

所属機関: 1名古屋大学分院外科

ページ範囲:P.825 - P.832

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はじめに
 末梢閉塞性血管疾患にたいする血行再建術後の治療成績の向上のために従来抗凝血薬療法1)2)としてHeparin(Heparin Sodium)を主とし,それに内服の抗凝血薬としてWarfarin(Warfarin Kalium)の併用,それに低分子デキストラン(以下LMD)の点滴静注の併用などの方法により治療を行なつてきたが,Heparinのみによる抗凝血薬療法3)ではどうしても,Heparin量が過量になり過ぎそのために出血の副作用も多い.血行再建術後の抗凝血薬療法では102例の中20例(19.6%)に出血症状が認められている.
 血行再建術後の治療成績の向上と,副作用としての出血症状をできるだけ少なくするためにHeparin量をできるだけ少なくし,それに線維素溶解酵素であるUroki-nase(UK)—(MochidaのUronase,1 vial,5000Ploug単位を使用)—を点滴静注にて投与し,LMD,Heparin,Warfarinをそれに併用する方法を試みたが,副作用としての出血症状はみられず,また臨床成績の改善を見ることができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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