icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻8号

1974年08月発行

特集 外傷救急診療におけるDo's & Don'ts

顔面外傷—救急処置室におけるDo's & Don'ts

著者: 斉藤博臣1 塩谷信幸1

所属機関: 1北里大学医学部形成外科

ページ範囲:P.986 - P.988

文献概要

はじめに
 顔面外傷の適切でない初療によつて生じた顔の醜い創跡の修正は,しばしば困難を伴うことが少なくない.女性の醜い顔の創跡は手術の適応があるが,男性では手術の適応がないと一般に良くいわれている.しかしこの考えは改められなければならない.男性でも青少年では外傷による顔の醜い創跡で悩むものであり,また職種によつては顔の傷はハンデキャップとなる.したがつて顔面外傷の初療の重要性はくり返し強調されているが,また適切な処置が守られていないことが多い.他部の外傷を伴つた顔面損傷では,一般に他部の外傷が優先して治療され顔面軟部組織の損傷がしばしばあとまわしになる.
 北里大学病院救急外来においては,一般外科,脳外科,整形外科,麻酔科,耳鼻科,眼科と形成外科が必要に応じて共診し,顔面外傷の治療にティームプレイを発揮している.また最近の顔面外傷は自動車の普及や高速道路網の発達によつて,従来のものといささかパターンが異なつてきたようである.すなわち,顔面軟部組織の損傷は,いわゆるfront glass injuryといわれるものが目立ち,額,頬,眉間に横走する多発性の弁状創であることが特徴である.顔面骨折も従来のLefortⅠ,Ⅱ,Ⅲ型では分類のできない複雑な型の出現を見る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら