文献詳細
臨床研究
遺伝性球状赤血球症13例の臨床的観察
著者: 大城孟1 向井清1 門田守人1 洪性徳1 杉立彰夫1 小林延行1 村上文夫1 陣内伝之助1
所属機関: 1大阪大学医学部第2外科
ページ範囲:P.1035 - P.1041
文献概要
遺伝性球状赤血球症(hereditary spherocytosis,HS)は家族性溶血性黄疸の名で知られるように,家族内に発生し,貧血,黄疸,脾腫を主症状とし,球状赤血球,綱赤血球増多,赤血球滲透圧抵抗減退,赤血球寿命短縮,血清ハプトグロビン(haptoglobin,Hp)減少を特長とする疾患である.
本疾患は人種により発生頻度が異なり,白人には多く,南ドイツは多発地域として有名であるが,黒人には少ない.本邦では比較的まれな疾患の1つであるが,最近では河北ら1)(79例),佐竹ら2)(131例),原ら3)(56例),滝川ら4)(57例)により多数の症例が報告され,遣伝学的な面からも血液学的な面からも注目されている.またこの疾患は摘脾が効を奏するために外科領域でも注目され研究されている疾患である.
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