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臨床報告
結腸脂肪腫の1例—本邦報告例の検討
著者: 曽和融生1 三木篤志1 馬宗吉1 尾松準之祐1 奥野匡宥1 畑間博1 北野厚生2 小林絢三2 赤土洋三3
所属機関: 1大阪市立大学医学部第1外科 2大阪市立大学医学部第3内科 3大阪市立大学医学部放射線科
ページ範囲:P.1073 - P.1078
文献購入ページに移動一般に消化管の脂肪腫は,比較的まれな疾患とされ,剖検例でも0.32〜4.4%1)2)3)の頻度に報告されているにすぎない.しかし消化管の部位的発生頻度では,大腸に占居する症例が最も多く4-7)9),したがつて大腸癌と鑑別すべき疾患の1つとして重要視する必要のあることはD'javid8)によつても指摘されている.本邦における大腸脂肪腫の報告は,1928年千葉11)にはじまり,それ以後現在まで第1表のごとく24例を数えるにすぎないが,今後大腸疾患の診断技術の発達と共に,本疾患が漸次増加する傾向にあるものとも考えられる.われわれは最近本症の1例を経験したので,この機会に本邦報告例についての臨床事項を中心に若干の考察を加えた.
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