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文献詳細

雑誌文献

臨床外科29巻9号

1974年10月発行

文献概要

臨床研究

外傷性髄液漏—特に治療方針について

著者: 副島徹1 北村勝俊1 朝長正道2 沢田稔夫2

所属機関: 1九州大学医学部脳神経外科 2福岡大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1111 - P.1116

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はじめに
 髄液漏は,くも膜,硬膜の破綻,骨欠損部を通じて,くも膜下腔,あるいは脳室腔が外界と交通し,脳脊髄液が漏出する疾患であり,放置すれば髄膜炎,硬膜下膿瘍,さらに脳膿瘍などの重篤な合併症を併発して死に至らしめることがある.この髄液漏には,一般頭部外傷や脳外科,耳鼻科手術に続発する場合(外傷性髄液漏)と腫瘍,炎症,あるいは先天性要因などに起因する場合(非外傷性髄液漏)があり,髄液漏出部位により,髄液鼻漏と髄液耳漏に分類されている.
 これら髄液漏の中でも外傷性髄液漏は,日常経験する頭部外傷の合併症として,さほどまれな疾患ではなく,大部分の症例は自然治癒するが,時に長期間持続し,また治癒したと考えられた症例が再発したり,髄膜炎をくり返すこともあり,治療方針,特に手術適応について困惑する場合がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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